「子育てしやすい街」を1つの数字だけで語るのは 難しいものです。今回、保育所へのアクセス(子ども 1,000人あたりの保育所定員)、若い世代の転入超過 (20代純移動率)、婚姻件数という3つの指標を組み 合わせ、「子育て世代吸引力指数」という独自の 総合指標を算出しました。
子育て世代吸引力指数 TOP15
上位8自治体のうち8自治体を東京都特別区が 占めています。20代純移動率ランキング分析の記事で 見た通り、東京都心区は若年層の転入超過が大きく、 保育所の整備も進んでいるため、複数の指標で高い 評価になりやすい構造があります。ただし婚姻率 ランキング分析の記事で指摘した通り、都心区の 婚姻件数には「未婚のまま転入した若年層が多く住む ことによる分母の押し上げ」という統計上の癖がある 点には注意が必要です。
東京以外で光る、意外な小さな町
東京都を除いた中で目を引くのが、島根県川本町 (人口3,248人)です。子ども1,000人あたりの保育所定員は9.4と全国トップクラスで、これは東京都心区の3倍以上の 水準です。高知県仁淀川町も同様に保育所定員が 突出しており、人口規模の小さな町ほど、保育所 1施設あたりがカバーする子どもの数が少なく、 相対的に手厚い体制になりやすいという側面があります。 都市部の雇用の多さとは違う軸で、「子どもを預け やすい町」を探すなら、こうした小規模自治体にも 注目する価値があります。
大都市(人口20万人以上)ではどこが強いか
人口20万人以上に絞っても、上位は東京都特別区が 並びます。子育て世帯にとって重要な「仕事の 選択肢の多さ」と「保育インフラの充実」が同時に 揃っている自治体は、やはり大都市圏に集中して いることが分かります。
移住先を選ぶ前に知っておきたいこと
このスコアに婚姻率が含まれていますが、婚姻率 ランキング分析の記事で触れた通り、東京都心区の 婚姻件数には「未婚のまま転入した若年層が多く住む ことによる分母の押し上げ」という統計上の癖が あります。つまり東京都心区の高スコアは、必ずしも 「結婚・子育てのしやすさ」をそのまま意味する わけではありません。また保育料や医療費助成の 手厚さは今回の集計に含まれていないため、実際に 移住先を検討する際は、このスコアだけでなく 自治体独自の子育て支援制度もあわせて調べることを おすすめします。
Q&A:子育て世代吸引力指数についてよくある質問
Q. 子育て世代吸引力指数とは何ですか?
A. 「子育てしやすい街」を1つの数字だけで語るのは無理があると考え、性質の異なる3つのデータをかけ合わせました。保育所への入りやすさ(子ども1,000人あたりの定員数)、若い世代が実際に転入してきているか(20代純移動率)、婚姻件数の3つを統計的に標準化して合算しています。
Q. 子育て世代吸引力指数が最も高いのはどこですか?
A. 東京都墨田区です。上位8自治体のうち8自治体を東京都特別区が占めており、雇用の多さと保育インフラの充実が高く評価されています。
Q. 東京都以外で上位に入る自治体はありますか?
A. あります。特に島根県川本町は子ども1,000人あたりの保育所定員が9.4と全国トップクラスで、人口3,000人規模の町としては極めて手厚い保育体制を持っています。高知県仁淀川町も同様の傾向が見られます。
まとめ
子育て世代吸引力指数からは、東京都心区の「総合力の 高さ」と、島根県川本町のような小さな町の「1人 あたりの手厚さ」という、異なる2種類の強さが 見えてきました。保育所アクセス・移住・婚姻という 個別記事とあわせて読むことで、より多角的に 「子育てしやすい街」を探せます。