20代純移動率ランキング分析:若者に選ばれる街、東京だけでなく大阪市の各区が上位に
人口1,000人あたりの20代純移動数を全国1,575自治体で比較すると、全国平均-2.4に対し、1位は沖縄県 竹富町(16.0)でした。ただし純移動がプラスの自治体は全体のわずか18%にとどまり、多くの自治体で若者の流出が続く厳しい現実も見えてきます。
公開日:2026年8月9日
データ更新日:2026年7月15日(e-Stat 公開データに基づき自動更新)
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20代純移動率は、進学・就職といったライフイベントの 多い20代が、その自治体にどれだけ転入・転出している かを示す指標です。2025年の住民基本台帳人口移動報告 をもとに全国1,575自治体を比較したところ、全国平均は-2.4でしたが、実際にプラスだったのは287自治体、全体のわずか18%にとどまりました。人口が増えている自治体でも、 高齢化が進みながら20代だけは流出しているケースも あり、単純な人口増減とは違う切り口で街の将来性を 考えるヒントになります。同じ「人口が減っている街」 でも、若者が残っているかどうかで、10年後の姿は 大きく変わってくるはずです。
20代純移動率TOP15
1位は沖縄県 竹富町で、16.0という高い水準でした。TOP15のうち0自治体を大阪市内の区(西区・淀川区・北区・浪速区・ 東成区など)が占めており、東京23区に負けない勢いで 若者を集めていることが分かります。沖縄県竹富町の ようなリゾート地が入っているのも興味深い点で、 観光業やリゾートワークを目的に移住する若者の存在も うかがえます。
人口20万人以上の都市では、東京都墨田区が1位
人口20万人以上の都市に絞ると、東京都墨田区が1位、 川崎市中原区・品川区・台東区と続きました。近年の 再開発やタワーマンション建設が進むエリアが目立ち、 新しい住宅供給が若者の流入に直結していることが うかがえます。千葉市中央区や大田区、目黒区といった、 都心へのアクセスが良く比較的家賃を抑えやすい エリアも上位に食い込んでおり、通勤利便性とコスト のバランスが選ばれる街の共通点になっているようです。
逆に流出が大きいのは、地方の町村
最も流出が大きかったのは大阪府岬町でした。下位10 自治体には千葉県の房総エリアや愛知県知多半島の 町など、大都市近郊でありながら人口規模の小さい 町が目立ちます。進学や就職のタイミングで若者が 近隣の大都市へ流出し、そのまま戻らないという 構造が、こうした町では特に強く表れているようです。 リゾート地・別荘地系の自治体が空き家率ランキングと 同様にここでも下位に並んでいるのは、観光需要と 定住人口の確保が必ずしも一致しないことを示して います。
データを読むときの注意点
このデータは2025年(令和7年)の1年間の転入出を集計したもので、 単年の数値には引っ越しシーズンの偶然や、大型 マンションの竣工といった一時的な要因も影響します。 継続的な傾向かどうかは、複数年のデータを見比べる ことでより確実に判断できます。今後、この移動報告 データが更新されるたびに、順位の変動を追いかけて いくのも面白い見方です。また、住民基本台帳上の 転入・転出は、進学時に住民票を移さない学生などが 反映されない場合もあり、実際の若者人口の動きを 完全には捉えきれていない可能性がある点にも留意が 必要です。
この指標は何に使えるか
20代純移動率がプラスの自治体は、賃貸物件の供給や 単身者向けの生活インフラ(飲食店・交通の便など)が 充実している傾向にあります。就職・転職を機に 一人暮らしを始める場所を検討する際、この指標が 高い街は、同世代の住民が多く暮らしやすい環境が 整っている可能性が高いと言えます。逆に自治体側の 視点では、この数値が続けてマイナスの地域は、 若年層向けの住宅施策や雇用創出が急務であることを 示す、分かりやすい警告サインにもなります。
まとめ
20代純移動率ランキングは、東京一極集中というより 「大都市圏の都心回帰」という現象をより正確に映して いました。東京23区だけでなく大阪市の各区も若者を 強く引きつけている一方、全国の8割近い自治体では 20代の流出が続いています。人口減少社会において、 若い世代がどこに集まり、どこから去っていくのかは、 その街の10年後・20年後を占う先行指標とも言えます。 婚姻率・単独世帯割合の記事とあわせて読むと、若い 世代がどこでライフステージを迎えているのか、より 具体的なイメージがつかめるはずです。