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子ども・出生

保育園あたり子ども人口ランキング分析:東京23区と大阪府内の自治体で、なぜここまで差が開くのか

全国1,362自治体の「保育園1施設あたりの子ども人口」を比較すると、全国平均749人に対し、人口20万人以上の都市に絞ると東京23区が上位を独占する一方、大阪府内の自治体が軒並み下位に沈むという、はっきりした地域差が見えてきました。

公開日:2026年8月6日

データ更新日:2026年7月15日(e-Stat 公開データに基づき自動更新)

保育園あたり子ども人口 全国1位
山口県 周防大島町 93人

🏆 TOP3

#1
山口県 周防大島町
93人
#2
岐阜県 白川町
98人
#3
愛媛県 伊方町
106人

保育園(保育所)1施設あたりの子ども人口は、数字が 小さいほど、その地域の子どもの数に対して保育施設に 余裕があることを意味します。全国1,362自治体を比較すると、全国平均は749人でした。ただし、この数字は単純な「保育の充実度 ランキング」として読むと、実態を見誤ります。

全自治体ランキングTOP15

1. 山口県 周防大島町
93人
2. 岐阜県 白川町
98人
3. 愛媛県 伊方町
106人
4. 高知県 室戸市
114人
5. 島根県 邑南町
120人
6. 熊本県 苓北町
123人
7. 山梨県 身延町
133人
8. 熊本県 山都町
138人
9. 北海道 平取町
138人
10. 徳島県 那賀町
140人
11. 三重県 大紀町
141人
12. 広島県 神石高原町
141人
13. 島根県 吉賀町
143人
14. 高知県 四万十町
148人
15. 徳島県 海陽町
156人

全自治体を対象にすると、上位には山口県 周防大島町・岐阜県 白川町・愛媛県 伊方町・高知県 室戸市・島根県 邑南町など、人口数千人規模の小さな町村が並びます。子ども の絶対数が少ないぶん、保育園1施設あたりの人数も 自然と少なくなるため、これだけを見て「保育が 充実している」と判断するのは早計です。

人口20万人以上の都市に絞ると、東京23区が上位独占

そこで、人口規模による差を取り除くために、人口20万人 以上の都市130自治体だけを抜き出して、あらためてランキングを 作り直してみました。すると、上位10自治体のうち9自治体を東京都の特別区(豊島区・文京区・中野区・杉並区・品川区・目黒区・渋谷区・墨田区・台東区)が占めるという、明確な傾向が見えてきました。

1. 東京都 豊島区
285人
2. 東京都 文京区
289人
3. 東京都 中野区
310人
4. 東京都 杉並区
315人
5. 東京都 品川区
316人
6. 東京都 目黒区
325人
7. 東京都 渋谷区
343人
8. 東京都 墨田区
350人
9. 島根県 松江市
365人
10. 東京都 台東区
366人

東京23区は、2010年代の「待機児童問題」を受けて、 保育施設の整備に大規模な予算を投じてきた経緯があります。東京都 豊島区は保育園1施設あたり285人と、同規模の都市の中でも際立って少ない水準です。

一方、大阪府内の都市は軒並み下位に

1. 大阪府 堺市
3927人
2. 大阪府 八尾市
3187人
3. 大阪府 茨木市
1961人
4. 大阪府 高槻市
1722人
5. 大阪府 東大阪市
1633人

対照的に、人口20万人以上の都市の中で保育園1施設 あたりの子ども人口が最も多かったのは大阪府 堺市で、3927人と、東京23区の上位とは10倍以上の開きがありました。 下位5自治体のうち5自治体が大阪府内の都市で占められており、同じ大都市 圏でも保育施設への投資度合いには大きな差があること がうかがえます。

💬 運営者のひとこと
自治体職員として統計データを扱っていた立場から言うと、 この「保育園数」という統計は少し注意が必要です。認可 保育所・認定こども園・小規模保育事業所など、施設の 種類によって集計対象が変わりやすく、特に大都市では 統計の取り方次第で数字が変わる可能性があります。ただ、 それを差し引いても、東京23区と大阪府内の自治体で ここまではっきり傾向が分かれるのは、単なる統計の ブレでは説明しきれない、実際の政策投資の差が表れて いるように感じます。

都道府県単位で見ても、西高東低ならぬ「西厳しめ」の傾向

市区町村単位だけでなく、都道府県ごとの平均値を 比較しても、興味深い傾向が見えてきます。対象5 自治体以上ある都道府県の中で、保育園1施設あたりの 子ども人口が最も少ない(=余裕がある)のは島根県・ 高知県・熊本県・宮崎県で、いずれも平均400人前後 でした。逆に最も多い(=厳しい)のは大阪府・兵庫県・ 滋賀県で、特に大阪府は平均2,000人を超え、島根県の 8倍以上という差がついています。人口減少が進む 山陰・四国・九州の県ほど子どもの絶対数が少ないため 単純比較には注意が必要ですが、それでも近畿圏の 数値の高さは際立っています。

この指標を子育て世帯の引っ越し先選びにどう使うか

この指標を実際に住む場所選びに活かすなら、まず 候補の自治体を人口規模でグループ分けし、同じ規模の 自治体同士で比較することをおすすめします。人口 5万人の町と人口100万人の政令指定都市を単純比較 しても、子どもの絶対数が違いすぎて参考になりません。 また、待機児童数の推移や、認可外保育施設・企業主導型 保育事業の有無など、この指標だけでは分からない 情報もあわせて自治体の公式サイトで確認すると、より 実態に近い判断ができます。

データを読むときの注意点

今回用いた保育園数は、政府統計に基づく特定時点の スナップショットであり、その後の新規開設や統廃合は 反映されていません。また、企業主導型保育事業や 幼稚園型認定こども園など、統計上「保育園」に分類 されない施設で実際には保育機能を担っているケースも あります。ランキングの順位そのものよりも、同じ人口 規模の自治体を比較したときの相対的な傾向として 参考にしていただくのが良いと思います。

まとめ

保育園1施設あたりの子ども人口は、人口規模の異なる 自治体を単純に並べると「子どもが少ない町村ほど 余裕がある」という当たり前の結果になります。しかし 同じ人口規模の都市だけで比較することで、その自治体が どれだけ保育施設に予算と人員を投じてきたかという、 政策的な差がはっきりと浮かび上がってきます。子育て 世帯が引っ越し先を検討する際は、この指標を都市の 人口規模でグループ分けしたうえで見比べることを おすすめします。

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筆者について:元自治体職員・現データコンサルタント。行政・民間で10年以上、 統計データの分析と可視化に携わっています。運営者情報を見る →
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