「結婚する人が多い街は、子どもも多いはず」と考えるのが自然 です。ところが実際にデータを見ると、少なくとも大都市に 関しては、この直感は裏切られます。婚姻率(人口1,000人あたり の婚姻件数)と出生率の関係を検証しました。
全自治体ではほぼ無関係、しかし大都市だけを見ると
人口3,000人以上の全1531自治体で相関係数を計算すると0.17で、婚姻率と出生率にはほとんど 関係が見られません。ところが、人口30万人以上の大都市86市区に絞り込むと、相関係数は-0.51という、はっきりとした逆相関に転じます。婚姻率が高い大都市 ほど、出生率は低い傾向があるということです。
東京都 中野区をはじめ、東京都心が上位を独占
婚姻率トップの東京都 中野区(7.09)をはじめ、 上位には品川区・新宿区・豊島区・大阪市など東京都心の特別区が並びます。一方で、これらの区の出生率 は軒並み大都市平均(1.32)を下回っています。
対照的に、出生率が高い大都市には明石市(1.63)・久留米市(1.63)・福山市(1.60)・倉敷市(1.57)・那覇市(1.55)などが並びます。明石市は子育て支援策で知られる自治体で、婚姻率自体は中野区ほど高くないものの、出生率では大都市の中でも上位に入って います。
Q&A:婚姻率と出生率についてよくある質問
Q. 婚姻率と出生率には関係がありますか?
A. 人口3,000人以上の全1531自治体で相関係数を計算すると0.17とほぼ無相関でした。ただし人口30万人以上の大都市86市区に絞ると相関係数は-0.51と、強い逆相関になります。
Q. 婚姻率が最も高い大都市はどこですか?
A. 東京都 中野区で、人口1,000人あたり7.09件です。ただし出生率は0.91と、大都市平均(1.32)を下回ります。
Q. なぜ婚姻率が高い都市ほど出生率が低いのですか?
A. 婚姻届は居住地以外でも提出できるため、婚姻率には利便性やイメージで届出先に選ばれた「結婚だけの街」という側面が含まれます。加えて都心部は住宅費や共働き世帯の労働時間の長さから、結婚後に出産・子育ての段階で郊外や地方に転出するケースも多いと考えられます。
まとめ
婚姻率と出生率は、全国全体で見るとほぼ無関係ですが、大都市 同士で比べると、婚姻率が高い街ほど出生率が低いという、 直感に反する結果になりました。婚姻届の提出先という手続き上 の特性と、都心部特有の住宅費・働き方が影響していると考え られます。「結婚が多い街」と「子育てしやすい街」は、 必ずしも同じではないという点が、このデータから見えてきます。
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出典:本サイト集計(市区町村別婚姻件数・出生率データ)。大都市の 比較対象は人口30万人以上の86市区。