「保育園を増やせば少子化は改善するのか」は、子育て政策でよく 語られる仮説です。本サイトが持つ市区町村別の保育園数と出生率 (合計特殊出生率)のデータを人口1万人以上の1,181自治体で突き合わせ、実際にどの 程度の関係があるのかを検証しました。
人口1万人あたり保育園数 TOP15
1位は島根県 邑南町(8.86園)。 上位には山口県 周防大島町や熊本県 山都町など、人口1〜5万人 規模の地方の町が並びます。大都市の行政区は保育園の絶対数こそ 多いものの、人口も多いため、人口あたりで見ると上位には入り にくい傾向があります。
相関係数0.33 ── 緩やかな正の相関
保育園密度と出生率の相関係数は0.33でした。 正の相関ではあるものの強い関係ではなく、「保育園が多い自治体 ほど出生率が高い傾向はあるが、それだけで説明できるわけでは ない」という、やや慎重な結論になります。全自治体平均の保育園 密度は2.03園、平均出生率は1.41でした。
都市部の逆説 ── 保育園は多いのに出生率は低い
相関を弱めている典型例が、東京都心部の行政区です。東京都 世田谷区(人口1万人あたり2.28園・出生率0.99)、東京都 渋谷区(人口1万人あたり2.75園・出生率0.95)、大阪府 大阪市(人口1万人あたり1.76園・出生率1.16)は、保育園密度としては全国平均を上回るか同水準にあるにも かかわらず、出生率は全国平均を大きく下回ります。保育園の数 だけでなく、住宅価格や共働き世帯の労働時間といった、データに 表れにくい要因が都市部の出生率を押し下げていると考えられ ます。
逆に上位に入る地方の町の多くは、人口規模が小さいために保育園 1つあたりがカバーする人口も小さく、結果として人口あたりの 保育園数が押し上げられている面があります。単純な「施設数の 比較」には、こうした人口規模による偏りが含まれる点には注意が 必要です。
本ブロックは楽天市場のアフィリエイトプログラムを利用しており、 表示価格や在庫状況は変動する場合があります。最新の情報は商品 ページでご確認ください。
Q&A:保育園数と出生率についてよくある質問
Q. 保育園の数と出生率には関係がありますか?
A. 人口1万人あたり保育園数と出生率の相関係数は0.33で、緩やかな正の相関が見られます。ただし相関はそれほど強くなく、保育園を増やせば出生率が上がると単純に言い切れる強さではありません。
Q. 保育園密度が全国1位の自治体はどこですか?
A. 島根県 邑南町で、人口1万人あたり8.86園です。全国平均は2.03園でした。
Q. 保育園が1つもない自治体はありますか?
A. 本サイトが対象とする人口1万人以上の自治体1181のうち、32自治体で登録上の保育園数がゼロでした。人口1万人未満の小規模自治体まで含めると、さらに多くなります。
まとめ
保育園密度と出生率には相関係数0.33の緩やかな正の相関が見られましたが、東京都心部のように 保育園が多くても出生率が低い地域があることから、「保育園を 増やせば出生率が上がる」と単純に言い切ることはできません。 出生率には、住宅費・働き方・地域の年齢構成など、保育園の 数だけでは捉えきれない複数の要因が絡んでいると考えるのが 妥当です。
出生率ランキング分析を見る | 保育園あたり子ども人口ランキング分析を見る | 子育て世代吸引力指数を見る
出典:本サイト集計(市区町村別保育園数・出生率データ)。対象は 人口1万人以上の1,181自治体。