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結論:75歳以上の運転者が第1当事者の事故は、全体の約9.7%

警察庁の交通事故統計オープンデータ(令和7年(2025年)・本票)で、人身事故287,023件のうち、75歳以上の運転者が第1当事者だった事故は27,776件(約9.7%)でした。 地域別に見ると差が大きく、都道府県別では最も高い高知県(15.5%)と最も低い東京都(5.8%)で、約2.7倍の開きがあります。

「第1当事者」は、事故の当事者のうち過失が最も重いとされた人です。ここでの 「高齢ドライバー」は、原付以上の車両(乗用車・貨物車・二輪車など)を運転していた 75歳以上の第1当事者を指します。自転車や歩行者は含みません。

都道府県別:高齢ドライバーが第1当事者の事故の割合

1. 高知県
15.5%
2. 鳥取県
13.9%
3. 山口県
13.8%
4. 和歌山県
13.6%
5. 広島県
13.5%

割合が高いのは、高知県(15.5%)、鳥取県(13.9%)、山口県(13.8%)、和歌山県(13.6%)、広島県(13.5%)です。反対に低いのは、東京都(5.8%)、大阪府(7.8%)、沖縄県(8.1%)、愛知県(8.7%)、神奈川県(8.8%)でした。背景には、公共交通機関の整備状況や、車を運転する高齢者の割合の違いなどが 考えられますが、このデータだけでは理由までは分かりません。

高齢化率との関係

人身事故が100件以上の532市区町村について、高齢化率 (令和7年国勢調査の65歳以上人口の割合)と、高齢ドライバーが第1当事者の事故の割合を 比べました。相関係数は0.62で、高齢化率が高い自治体ほど割合が大きい傾向が強く表れています。

高齢化率自治体数事故の割合の中央値
25%未満1177.3%
25%〜30%未満1759.8%
30%〜35%未満17511.2%
35%〜40%未満5614.3%
40%以上915.4%

高齢化率が25%未満の自治体では事故の割合の中央値が7.3%、40%以上の自治体では15.4%でした。

この関係は、市区町村ごとの集計での傾向です。個人や個々の地域に当てはまるとは 限りません。また、高齢化が進んだ地域は、車が生活に欠かせない地域であることが多く、 高齢者の運転の機会そのものが多い可能性もあります。

市区町村別:割合が高い自治体(人身事故100件以上)

  1. 静岡県 伊東市:20.6%(人身事故204件のうち42件)、高齢化率45.1%
  2. 千葉県 館山市:20.4%(人身事故137件のうち28件)、高齢化率41.7%
  3. 兵庫県 赤穂市:20.1%(人身事故144件のうち29件)、高齢化率35.0%
  4. 広島県 廿日市市:19.8%(人身事故121件のうち24件)、高齢化率31.7%
  5. 京都府 亀岡市:19.6%(人身事故107件のうち21件)、高齢化率31.8%
  6. 広島県 呉市:18.7%(人身事故268件のうち50件)、高齢化率36.7%
  7. 長野県 千曲市:18.5%(人身事故119件のうち22件)、高齢化率33.6%
  8. 広島県 尾道市:18.0%(人身事故128件のうち23件)、高齢化率37.8%
  9. 茨城県 鉾田市:17.8%(人身事故101件のうち18件)、高齢化率35.5%
  10. 兵庫県 稲美町:17.7%(人身事故113件のうち20件)、高齢化率32.8%

532自治体の中央値は10.2%です。件数が少ない自治体では、 事故が数件増減するだけで割合が大きく動くため、人身事故が100件 未満の自治体は除いています。

データを読むときの注意点

  • 事故の割合であり、「高齢ドライバー1人あたりの事故のしやすさ」ではありません。 75歳以上の運転者の人数は、この集計に含まれていません。
  • 事故は発生した場所の自治体で数えています。観光地や幹線道路沿いでは、地域の 住民以外の運転者の事故も含まれます。
  • 第1当事者でなかった高齢ドライバー(被害者側)の事故は、ここには含まれません。

運転を続ける家族のために:できること

  • 運転の様子を記録する。ドライブレコーダーがあると、事故のときの状況が分かるだけでなく、日ごろの 運転を家族で振り返る材料にもなります。
  • 安全運転を支える装置を活用する。衝突被害軽減ブレーキなどを備えた車や、後付けの装置もあります。
  • 運転免許の自主返納も、選択肢の一つ。返納の手続きや、返納後の移動手段の支援は、お住まいの自治体や警察署に 確認できます。

Q&A:高齢ドライバーの事故についてよくある質問

Q. 高齢ドライバーの事故は、全国でどれくらいありますか?
A. 令和7年(2025年)の人身事故287,023件のうち、75歳以上の運転者(原付以上の車両)が第1当事者だった事故は27,776件で、全体の約9.7%です。

Q. 第1当事者とは何ですか?
A. 交通事故の当事者のうち、過失が最も重いとされた人のことです(過失が同程度の場合は、人身損傷の程度が軽い人とされています)。第1当事者が75歳以上、という数え方なので、75歳以上の人が被害者になった事故は含みません。

Q. 高齢ドライバーの事故の割合が最も高い都道府県はどこですか?
A. 高知県で、約15.5%です。反対に最も低いのは東京都で、約5.8%です。

Q. 高齢化率が高い自治体ほど、高齢ドライバーの事故の割合も高いですか?
A. このデータでは、高齢化率と、75歳以上の運転者が第1当事者の事故の割合の相関係数は0.62で、高齢化率が高い自治体ほど割合が大きい傾向が強く表れています。ただし、人身事故が100件以上の532自治体の傾向であり、個々の自治体が当てはまるとは限りません。

まとめ

75歳以上の運転者が第1当事者の事故は、全体の約9.7%でした。 地域差は大きく、高知県(15.5%)から東京都(5.8%)まで 開きがあります。高齢化率との関係も、データで確かめました。大切なのは、 数字を高齢の方への批判にするのではなく、運転を続ける人と家族が、無理なく 安全に暮らせる方法を考えることです。

出典:警察庁「交通事故統計情報のオープンデータ」(令和7年本票)を加工して作成。人身事故は、死者または負傷者が出た交通事故で、物損事故は含まれません。

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