若い自治体ランキング
高齢化率が低い(=若い世代の割合が高い)自治体を集めました。都心のオフィス街から、震災からの復興が進む地域まで、その顔ぶれは一様ではありません。
公開日:2026年3月13日
データ更新日:2026年7月15日(e-Stat 公開データに基づき自動更新)
🏆 TOP3
高齢化率が低い自治体TOP15
日本全体の高齢化率が約29%であることを踏まえると、 ここに挙がる自治体はいずれも全国平均を大きく 下回る、極めて特異な人口構成を持っています。 ただし後述の通り、その理由は自治体によって まったく異なります。
分析:3つの異なるタイプの「若さ」
高齢化率が最も低いのは福島県 大熊町(10.3%)です。これは 福島県の帰還困難区域の一部を含む町であり、 2011年の原発事故による長期避難ののち、 除染やインフラ復旧が進んだ地域から順次 避難指示が解除され、主に復興関連の作業員や 帰還を決めた現役世代が居住していることが、 見かけ上の高齢化率の低さにつながっています。 震災前の人口構成とは大きく異なる、特殊な 状況にある点に留意が必要です。
一方、東京都中央区・千代田区・港区・渋谷区・ 文京区といった東京都心部の特別区も上位に 並んでいます。これらの地域では、2000年代以降の タワーマンション開発により、子育て世代や 若い単身世帯・共働き世帯(いわゆるDINKs)の 転入が続いており、高齢化率を押し下げる 要因になっています。ただし、これは必ずしも 「子どもが多い」ことを意味するわけではなく、 子ども比率ランキングで見ると、都心3区は 必ずしも上位には入りません。高齢者が少ない ことと、子どもが多いことは、似ているようで 異なる現象です。
3つ目のタイプが、愛知県長久手市・埼玉県戸田市・ 千葉県浦安市のような、大都市近郊のニュータウン・ ベッドタウンです。長久手市は名古屋市に隣接し、 大学や研究機関の立地、計画的な住宅開発が 進んだことで若い世代の転入が続いています。 浦安市も東京ディズニーリゾートの開業以降、 再開発によるマンション供給が進み、子育て世代の 流入が続いてきた代表例です。こうした自治体は、 高齢化率の低さと子ども比率の高さが同時に 見られる、最も「若い街」らしい特徴を持って います。
このように、高齢化率の低さという同じ結果でも、 その背景は「震災復興」「都心居住」 「計画的なニュータウン開発」と大きく異なります。 ランキングの数字だけでなく、その自治体が どのような経緯でその数字に至ったのかを知ることで、 データの見え方はより立体的になります。
「若い自治体」の今後
都心のタワーマンションやニュータウンによって 支えられている「若さ」は、開発が一巡した後、 そのまま同じ世代が一斉に高齢化していくという 長期的な課題も抱えています。実際、1960〜70年代に 開発された郊外のニュータウンの多くは、当時 入居した世代がそろって高齢化し、現在は逆に 高齢化率が高い地域に変わっている例が全国に 数多く見られます。今回ランキングに挙がった 自治体が、将来にわたって「若い自治体」であり 続けられるかどうかは、継続的に新しい世代の 転入を呼び込めるかどうかにかかっています。 再開発から数十年が経過した団地・ニュータウンで 高齢化率が急上昇するケースは、今後の都市計画に おいても重要な教訓となっています。
本サイトでは、高齢化率ランキング・子ども人口 割合ランキングを定期的に更新しています。 同じ自治体が数年後にどう変化しているかを 追跡することで、こうした「若さ」の持続性を 確認することもできます。
「若い自治体」と「子どもが多い自治体」は違う
今回のランキングは高齢化率の低さを基準に 並べたものですが、これは必ずしも子ども人口 割合ランキングと同じ顔ぶれにはなりません。 たとえば東京都心の特別区は、高齢化率こそ 低いものの、子ども人口割合で見ると全国トップ クラスにはあまり入ってきません。単身世帯や 共働きで子どものいない世帯(DINKs)の割合が 高いことが理由と考えられます。逆に、沖縄県の 町村や大都市近郊のニュータウンは、高齢化率の 低さと子ども人口割合の高さの両方を兼ね備えて いる傾向があります。
自治体の「若さ」を正しく理解するには、 高齢化率だけでなく、子ども人口割合もあわせて 確認することが欠かせません。本サイトの 子ども人口割合ランキングとあわせてご覧いただくと、 それぞれの自治体がどのようなタイプの「若さ」を 持っているのかが、より具体的に見えてくるはずです。
まとめ
今回のTOP30(平均高齢化率17.7%)には、 震災復興地域が1自治体、東京都心の特別区が複数、 そして大都市近郊のニュータウンという、 3種類の異なる背景を持つ自治体が含まれています。 同じ「高齢化率が低い」という数字でも、 その成り立ちは自治体ごとに異なります。