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飲食店密度ランキング分析:千代田区と観光地が上位、ベッドタウンが下位という対極構造

人口1,000人あたりの飲食店数を全国1,575自治体で比較すると、全国平均3.79店に対し、1位の東京都千代田区は45.4店。東京都心のオフィス街と、箱根町・白馬村などの観光地・温泉地が上位を占める一方、都市近郊のベッドタウンは軒並み平均を下回る結果になりました。

公開日:2026年8月6日

データ更新日:2026年7月15日(e-Stat 公開データに基づき自動更新)

飲食店密度 全国1位
東京都 千代田区 45.4店

🏆 TOP3

#1
東京都 千代田区
45.4店
#2
東京都 中央区
24.3店
#3
神奈川県 箱根町
19.5店

人口1,000人あたりの飲食店数は、単純な「外食が しやすい街」ランキングのように見えて、実はその街の 性質を色濃く映し出す指標です。全国1,575自治体の平均は3.79店でしたが、上位に並ぶ自治体を見ていくと、大きく 性質の異なる2つのグループが存在することが分かります。

飲食店密度TOP12

1. 東京都 千代田区
45.4店
2. 東京都 中央区
24.3店
3. 神奈川県 箱根町
19.5店
4. 沖縄県 竹富町
18.0店
5. 東京都 港区
17.2店
6. 東京都 渋谷区
16.3店
7. 東京都 八丈町
16.0店
8. 群馬県 草津町
15.4店
9. 長野県 野沢温泉村
15.2店
10. 長野県 白馬村
14.3店
11. 東京都 新宿区
13.9店
12. 長野県 軽井沢町
13.8店

1位の東京都 千代田区は、住民登録人口に対して45.4店と、全国平均の10倍以上に達しました。TOP12のうち7自治体は、箱根町・八丈町・草津町・野沢温泉村・ 白馬村・軽井沢町・竹富町・伊江村といった、観光地・ 温泉地です。残りは東京都心のオフィス街(千代田区・ 中央区・港区・渋谷区)でした。どちらにも共通するのは、 「住民登録人口」よりも実際にその街で過ごす人(通勤・ 通学者や観光客)の数がはるかに多いという点です。

逆に飲食店が少ないのは、都市近郊のベッドタウン

1. 奈良県 安堵町
0.14店
2. 秋田県 大潟村
0.33店
3. 福岡県 小竹町
0.42店
4. 奈良県 三宅町
0.47店
5. 熊本県 山江村
0.62店
6. 福岡県 上毛町
0.69店
7. 大阪府 豊能町
0.82店
8. 福岡県 糸田町
0.83店
9. 京都府 和束町
0.86店
10. 宮城県 七ヶ浜町
0.88店

下位10自治体は、いずれも人口3,000人〜3万人程度の 町村で、大都市圏の近郊に位置する自治体が目立ちます。 最下位の奈良県 安堵町は、人口1,000人あたりわずか0.14店でした。住民の多くが近隣の大都市へ通勤・通学し、 外食も職場や学校の周辺で済ませる生活パターンが、 この数字の背景にあると考えられます。

💬 運営者のひとこと
土地勘のある千葉県船橋市・市川市で、この指標を 実際に調べてみました。船橋市は人口1,000人あたり2.46店、市川市は1.99店と、どちらも全国平均3.79店を下回っていました。人が多く、にぎわっている 印象のある街でも、住民登録人口を分母にすると 飲食店密度としては平均以下になるというのは、単独 世帯割合の記事で書いた「体感とデータのズレ」に 近い発見でした。ベッドタウンの住民は、休日に都心へ 出て外食を楽しむことが多いのかもしれません。

「昼間人口」という、もう一つの視点

総務省統計局が公表する「昼間人口」という指標が あります。これは通勤・通学による人の移動を反映した、 その地域に実際にいる人の数です。東京都千代田区の 昼間人口は夜間人口(住民登録人口)の10倍以上に 膨れ上がることで知られており、これが飲食店密度が 突出して高くなる直接の理由です。観光地についても 同様で、箱根町や白馬村を訪れる年間の観光客数は、 住民数の何十倍にも達します。飲食店数を住民登録 人口だけで割った今回の指標は、こうした「訪れる人の 多さ」を間接的に浮かび上がらせるものとも言えます。

住む場所選びでこの指標をどう読むか

単独世帯割合ランキングの記事では、都市部で若年 単身世帯と高齢単身世帯がともに増えていることを 紹介しました。単身世帯は自炊よりも外食・中食に 頼る割合が高いとされ、こうした世帯が集まる都心の 区で飲食店密度が高くなるのは、ある意味で自然な 結果とも言えます。逆に、ファミリー世帯の割合が 高いベッドタウンでは、自宅での食事を基本としつつ、 外食は休日にまとめて行うという生活スタイルが 一般的で、これが平日の飲食店の稼働率を左右している 可能性もあります。

飲食店密度が高い街に住めば、日常的に外食や テイクアウトを楽しみやすいというメリットがあります。 一方で、オフィス街は休日の営業時間が短い店舗も 多く、観光地は観光客向けの価格設定になっている 場合もあるため、必ずしも「住民にとって便利」とは 限りません。逆に飲食店密度が低いベッドタウンでも、 近隣の主要駅や隣接する大都市まで出れば選択肢は 豊富にあることが多く、この指標単体で「暮らしやすさ」 を判断するのではなく、最寄り駅からのアクセスと あわせて考えるのがおすすめです。

データを読むときの注意点

今回の飲食店数は、カフェ・喫茶店から居酒屋、 ファストフード店まで幅広い業態を含んだ集計です。 業態ごとの内訳までは分からないため、例えば「高級 飲食店が多いのか、チェーン店が多いのか」といった 街の雰囲気までは、この指標だけでは読み取れません。 また、宿泊施設内のレストランなど、統計の分類に よっては別カテゴリに計上されているケースもあり、 観光地の実際の飲食店数は、統計上の数字よりさらに 多い可能性があります。

まとめ

飲食店密度ランキングの上位が「オフィス街」と 「観光地」という一見正反対の性質の街に分かれたのは、 どちらも住民登録人口だけでは説明できない、外部から 訪れる人の多さが共通しているからです。逆に下位に 並ぶベッドタウンは、住民数こそ多くても、生活や 消費の場が近隣の大都市に分散している街だと言えます。 人口の数字だけを見て「賑わっている街」を判断するのは 難しく、こうした周辺指標を組み合わせることで初めて、 街の実際の姿が見えてきます。

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筆者について:元自治体職員・現データコンサルタント。行政・民間で10年以上、 統計データの分析と可視化に携わっています。運営者情報を見る →
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