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ごみのリサイクル率ランキング分析:大崎町はなぜ「日本一」と呼ばれるのか

ごみのリサイクル率を全国1,715自治体で比較すると、全国平均20.0%に対し、住民参加型の分別収集で知られる鹿児島県大崎町は83.0%(全体12位)でした。上位には99%台という統計的に不自然な数値も見られ、集計方法の違いについても解説します。

公開日:2026年8月10日

データ更新日:2026年7月15日(e-Stat 公開データに基づき自動更新)

ごみのリサイクル率 全国1位
埼玉県 日高市 99.7%

🏆 TOP3

#1
埼玉県 日高市
99.7%
#2
高知県 中土佐町
99.6%
#3
山口県 美祢市
97.2%

ごみのリサイクル率は、ごみ総排出量のうちどれだけが 資源として再利用されたかを示す指標です。令和5年度 「一般廃棄物処理事業実態調査」をもとに全国1,715自治体を比較したところ、全国平均は20.0%でした。環境省が掲げる目標(令和12年度で27%程度) と比べても、多くの自治体がまだ道半ばであることが 分かります。ごみ処理は数少ない「自治体ごとに ルールが大きく異なる」身近な行政サービスであり、 リサイクル率の差は住民の分別への協力度合いを 映す鏡でもあります。

リサイクル率TOP15

1. 埼玉県 日高市
99.7%
2. 高知県 中土佐町
99.6%
3. 山口県 美祢市
97.2%
4. 福岡県 宮若市
94.7%
5. 福岡県 鞍手町
94.3%
6. 北海道 留寿都村
88.1%
7. 埼玉県 ときがわ町
86.3%
8. 北海道 喜茂別町
86.3%
9. 埼玉県 嵐山町
86.2%
10. 埼玉県 小川町
85.7%
11. 埼玉県 滑川町
84.9%
12. 鹿児島県 大崎町
83.0%
13. 埼玉県 東秩父村
82.0%
14. 北海道 豊浦町
81.5%
15. 北海道 真狩村
76.8%

上位には埼玉県日高市・高知県中土佐町など99%台の 自治体が並びますが、この水準は全国的にも極めて 異例です。通常、リサイクル率が高いとされる自治体 でも70〜80%台にとどまることが多く、集計方法(直接 資源化量の計上の仕方など)の違いによって数値が 押し上げられている可能性があります。順位の細部 よりも、上位に共通する「住民参加型の分別」という 傾向に注目するのがおすすめです。

大崎町はなぜ「日本一」と呼ばれるのか

今回のランキングでは12位となった鹿児島県大崎町(83.0%)ですが、実はごみ処理の分野では全国で最も有名な 自治体のひとつです。人口1万2千人ほどの小さな町 でありながら、大崎町には可燃ごみを燃やす 焼却炉がなく、生ごみを含む27〜28品目にごみを 細かく分別し、そのほとんどを資源化する「大崎 システム」を1998年から続けてきました。埋立処分場を 延命させるために始まったこの取り組みは、今では 国内外から視察が絶えない先進事例として知られて います。

💬 運営者のひとこと
行政の現場では、ごみの分別ルールを変えるというのは 住民の理解と協力が絶対条件になる、非常にハードルの 高い施策です。大崎町のように27品目もの分別を 長年続けられているのは、単に自治体が制度を作った からではなく、住民一人ひとりが日々の生活の中で 分別を習慣化してくれているからこそだと思います。 リサイクル率という数字の裏には、その街の住民の 意識の高さが表れているとも言えるかもしれません。

大都市(人口20万人以上)では、どこが健闘しているか

1. 岡山県 倉敷市
47.3%
2. 広島県 福山市
42.3%
3. 東京都 西東京市
41.1%
4. 東京都 調布市
40.0%
5. 東京都 府中市
38.1%
6. 千葉県 千葉市
34.6%
7. 東京都 八王子市
33.6%
8. 神奈川県 横須賀市
32.6%
9. 東京都 町田市
31.9%
10. 埼玉県 所沢市
31.0%

人口20万人以上の都市に絞ると、大崎町のような 小規模自治体ほどの高水準には及ばないものの、 分別収集に力を入れている都市が上位に並びました。 大規模な自治体では、住民の入れ替わりが激しく、 転入者への分別ルールの周知が難しいという事情も 影響していると考えられます。

逆にリサイクル率が低い自治体は

1. 沖縄県 多良間村
0.8%
2. 福岡県 久山町
1.3%
3. 沖縄県 南大東村
1.8%
4. 東京都 新島村
2.1%
5. 東京都 御蔵島村
2.2%
6. 北海道 乙部町
2.5%
7. 鹿児島県 三島村
2.6%
8. 東京都 大島町
2.7%
9. 北海道 利尻富士町
2.9%
10. 北海道 厚沢部町
3.0%

下位には沖縄県や東京都の離島が目立ちます。離島は 資源ごみを本土まで船で運ぶコストが高く、分別しても 再資源化の仕組みに乗せにくいという、地理的な制約が 大きく影響していると考えられます。リサイクル率の 低さを、そのまま「意識が低い」と結びつけるのは 早計です。

データを読むときの注意点

東京23区は「東京二十三区清掃一部事務組合」が共同で ごみ処理を担っているため、区ごとのリサイクル率は 公表されておらず、今回のランキングには含まれて いません。また、リサイクル率の算出方法は自治体に よって「集団回収量」の扱いなどに差があり、単純な 横並び比較には一定の限界がある点もご留意ください。 今回のデータは令和5年度(2023年度)時点のもので、 分別ルールの見直しなどにより、今後数値が変動する 可能性もあります。

この指標は暮らしにどう関係するか

リサイクル率が高い自治体は、分別区分が細かく設定 されている傾向があり、引っ越し直後は分別ルールを 覚えるのに少し手間がかかるかもしれません。一方で、 こうした自治体はごみ収集カレンダーやアプリでの 通知など、住民サポートの仕組みも充実している ケースが多く見られます。環境意識の高い暮らしを 重視する人にとっては、リサイクル率の高さは 「住民の意識が高い街」を見分ける一つの目安にも なりそうです。

まとめ

ごみのリサイクル率ランキングからは、全国的に知られる 大崎町のような先進事例だけでなく、離島など地理的な 制約を抱える自治体の存在も見えてきました。順位の 高さは自治体の努力だけでなく、人口規模や地理的 条件にも左右されるため、単純な優劣ではなく、それぞれの 街が置かれた状況をふまえて読むことをおすすめします。 引っ越し先を検討する際は、この指標もぜひ他の ランキングとあわせて参考にしてみてください。

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筆者について:元自治体職員・現データコンサルタント。行政・民間で10年以上、 統計データの分析と可視化に携わっています。運営者情報を見る →
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