地価が高い自治体ほど、単身世帯が多い
不動産価格(地価・平米単価)と単身世帯率の相関係数を 計算すると+0.54となり、明確な正の相関が確認できました。地価TOP20%の 自治体群の平均単身世帯率は42.8%で、 地価BOTTOM20%の自治体群(30.2%)より12.6ポイント高くなっています。
地価上位には東京都港区・千代田区・渋谷区など都心区が 並びますが、単身世帯率で見ると、地価では8位の大阪府 大阪市 浪速区が75.2%と、 この中で最も高い数値になっています。
同じ「単身世帯が多い」でも、中身は正反対
ここで注意したいのは、単身世帯率が高い理由が、地価の 高い自治体と安い自治体とではまったく異なるという点です。
港区・渋谷区・大阪府 大阪市 浪速区など地価の高いエリアでは、 住宅費の高さから、ワンルーム・1Kといったコンパクトな 賃貸住宅が供給されやすく、若年層の単身者・単身赴任者・ 学生などが集まりやすい構造になっています。
一方、沖縄県 粟国村(地価は非常に安いものの、単身 世帯率55.8%)のような 離島・山間部では、人口減少と高齢化の結果、配偶者に 先立たれた高齢者が一人で暮らす「独居高齢者」が単身 世帯の中心になっています。
同じ「単身世帯率が高い」という数字でも、都心型は 「これから世帯を持つ前の若年層」、過疎型は「かつて 世帯を持っていた高齢者が一人になった」という、 ライフステージの両端が生み出している現象だと言えます。 このサイトの単独世帯割合分析の記事でも、都心と被災地 (人口移動の激しい地域)に共通点があることを紹介して いますが、地価という切り口を加えることで、その内訳を より具体的に読み解くことができます。
Q&A:地価と単身世帯率の関係についてよくある質問
Q. 地価と単身世帯率には関係がありますか?
A. 対数変換した地価と単身世帯率の相関係数は+0.54で、明確な正の相関があります。地価の高い自治体ほど、単身世帯の割合も高い傾向があります。
Q. 地価が高い自治体は、なぜ単身世帯が多いのですか?
A. 地価が高い都心部は、住宅費が高額になるため、家族向けの広い住宅よりもワンルーム・1Kといったコンパクトな住戸が供給されやすく、単身の若年層・単身赴任者・学生などが集まりやすい構造になっていると考えられます。地価TOP20%の自治体群の平均単身世帯率は42.8%で、地価BOTTOM20%の自治体群(30.2%)より12.6ポイント高くなっています。
Q. 地価が安いのに単身世帯率が高い自治体もありますか?
A. あります。例えば沖縄県 粟国村は地価が非常に安いにもかかわらず、単身世帯率は55.8%と高水準です。ただしこれは、都心部の「若い単身者向けの賃貸住宅が多い」という理由とは全く逆で、人口が少なく高齢の単身世帯(独居高齢者)が多いことが背景にあると考えられます。同じ「単身世帯率が高い」でも、地価という別の指標と組み合わせることで、中身が正反対であることが分かります。
まとめ
地価と単身世帯率には、無視できない正の相関がありました。 ただし、その中身は「都心の若年単身者」と「過疎地の 独居高齢者」という、まったく異なる2つの層が混在して います。単身世帯率という1つの数字だけでは、その地域が 活気のある都市なのか、高齢化が進む地方なのかを 判断できません。地価という別のデータと掛け合わせる ことで、初めてその実態が見えてきます。
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