純増数TOP12
国税庁「法人番号公表サイト」の全件データをもとに、直近12か月間の 市区町村別「新設法人純増数」(新設数-閉鎖数)を集計しました。 全国計は新設88,754件・閉鎖71,917件、差し引き純増16,837件です。
1位の東京都 渋谷区は、新設4,014件・ 閉鎖1,293件で、純増2,721件と全国で突出しています。 IT・スタートアップ企業の集積地として知られるエリアで、 データの上でもその勢いが裏付けられました。
新宿区は、新設数トップ級なのに純減1位
今回の分析で最も意外だったのが新宿区です。新宿区の新設法人数は2,213件と全国でも上位に入る 規模ですが、閉鎖数が3,329件と それを大きく上回り、純増では-1,116件という、全国で最も大きな純減になりました。
新宿区以外にも、練馬区・江戸川区・北区など、東京23区の 中でも郊外寄りのベッドタウン的なエリアで純減が目立ちます。 都心3区(千代田区・中央区・港区)や渋谷区に企業活動が 集中する一方、その外側のエリアでは純減が進むという、 東京都内での二極化が見えてきます。
小さな町の"復興特需":福島県大熊町
人口あたりで見ると、意外な自治体が上位に入ります。(人口人)は、 純増数こそ件と小さいものの、人口比では 全国トップクラスの伸び率です。人口の入れ替わり率を分析した 過去記事でも触れたとおり、大熊町は原発事故からの復興が 進む町で、除染・復興関連の事業者の新規登録が、人口規模の わりに多いことが背景にあると考えられます。
地価との関係は「弱い」相関にとどまる
住民1,000人あたりの純増数と地価(対数)の相関係数を計算すると0.25で、正の傾向はあるものの弱い相関にとどまりました。 地価が高い都心部で法人純増数が多い傾向はあるものの、地価だけで 説明できる部分は限定的です。業種構成、再開発の有無、新宿区の ような「開業・廃業サイクルの早さ」など、地価以外の要因も 大きく影響していると考えられます。無理に強い関係があると 決めつけず、あくまで参考程度の数値として見るのが適切です。
Q&A:新設法人純増数についてよくある質問
Q. 新設法人の純増数が最も多い自治体はどこですか?
A. 東京都 渋谷区で、直近12か月の純増数は2,721件です(新設4,014件、閉鎖1,293件)。
Q. 新宿区の新設法人はなぜ純減しているのですか?
A. 新宿区は新設2,213件と、単独で見れば全国トップクラスの新設数がありますが、閉鎖数が3,329件とそれを上回り、純増では全国最下位(-1,116件)になっています。新宿区は開業も廃業も多い「新陳代謝の激しい」エリアであり、単純に企業活動が停滞しているというよりは、小規模事業者の入れ替わりが非常に活発な結果と考えられます。
Q. 新設法人の純増数は地価と関係がありますか?
A. 住民1,000人あたりの純増数と地価(対数)の相関係数は0.25で、弱い正の相関にとどまりました。地価が高い都心部で法人純増数が多い傾向はあるものの、地価だけで説明できる部分は限定的で、業種構成や再開発の有無など、他の要因も大きく影響していると考えられます。
まとめ
新設法人数だけでは見えない「純増数」という視点を導入する ことで、渋谷区の突出した勢いと、新宿区の意外な純減という、 対照的な2つの姿が見えてきました。開業の多さは必ずしも その地域の企業活動の成長を意味せず、閉鎖数もあわせて見る ことで、はじめて実態に近づけることが分かります。
出典:国税庁 法人番号公表サイト(全件データ、直近12か月集計)
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