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社会増減

社会増減率分析:転入超過1位はなぜ人口847人の町なのか

転入者数から転出者数を引いた社会増減率で全国1位になったのは、人口847人の福島県大熊町でした。転入超過・転出超過、それぞれの上位に共通する背景を分析します。

公開日:2026年4月24日

データ更新日:2026年7月15日(e-Stat 公開データに基づき自動更新)

転入超過1位
福島県 大熊町 6.7%

🏆 TOP3

#1
福島県 大熊町
6.73%
#2
東京都 中央区
4.43%
#3
東京都 青ヶ島村
2.96%

転入超過TOP10

1. 福島県 大熊町
6.73%
2. 東京都 中央区
4.43%
3. 東京都 青ヶ島村
2.96%
4. 北海道 南幌町
2.72%
5. 沖縄県 宜野座村
2.64%
6. 東京都 御蔵島村
2.48%
7. 熊本県 西原村
2.12%
8. 大阪府 島本町
2.06%
9. 北海道 東川町
1.85%
10. 宮城県 七ヶ宿町
1.74%

この指標について

社会増減率は、総務省「住民基本台帳人口移動報告」の 転入者数・転出者数をもとに、(転入者数−転出者数)÷人口 で算出しています。出生・死亡による自然増減は含まれて いないため、実際の総人口の増減率とは異なります。 小規模な自治体ほど、少数の転入・転出でも比率が 大きく振れる点にも注意が必要です。

実際、今回のランキング上位・下位の多くは、人口 数百人〜数千人規模の小さな自治体で占められています。 人口が少ないほど、わずか数十人の転入・転出でも パーセンテージが跳ね上がるため、大都市と同じ基準で 単純比較すると実態を見誤ることがあります。ランキングを 見る際は、率だけでなく、その自治体の人口規模も あわせて確認することをおすすめします。

1位は震災復興が進む町

1位の福島県 大熊町(社会増減率6.73%)は、東京電力福島第一原発 事故により長期間避難指示が出されていた自治体です。 除染やインフラ復旧が進み、帰還困難区域の一部が 解除されたことで、復興関連の作業員や帰還を決めた 住民の転入が続いています。ただし人口はもともと 847人と少なく、少数の転入でも比率が大きく跳ね上がる 点には注意が必要です。

一方で、同じ原発事故の影響を受けた福島県内の 自治体でも、状況は大きく異なります。浪江町は 社会増減率がマイナス15.96%と、全国で最も転出超過が 大きい自治体になっており、飯舘村・葛尾村も大幅な 転出超過です。避難指示の解除時期や、帰還を選ぶ 住民の割合の違いが、同じ被災地域の中でも明暗を 分けています。

転出超過TOP10

1. 福島県 浪江町
-15.96%
2. 福島県 飯舘村
-7.66%
3. 福島県 葛尾村
-7.14%
4. 石川県 珠洲市
-6.23%
5. 福島県 富岡町
-6.11%
6. 石川県 輪島市
-5.99%
7. 北海道 音威子府村
-4.53%
8. 東京都 小笠原村
-4.03%
9. 鹿児島県 三島村
-3.95%
10. 北海道 奥尻町
-3.61%

都心の再開発と転入超過

転入超過の上位には、東京都中央区のような都心の 自治体も入っています。中央区は大規模なタワー マンション開発が続いており、住宅供給の増加が 転入超過に直結しています。震災復興地域とは まったく異なる理由で、同じ「転入超過」という 結果になっている点が興味深いところです。

人口ランキングや子ども人口割合ランキングと重ねて 見ると、その自治体の人口動態がどのような要因に 支えられているのかが、より具体的に見えてきます。

社会増減率と自治体の将来予測

社会増減率がプラスの自治体がすべて「今後も人口が 増える」とは限りません。転入超過が一時的な要因 (震災復興工事、大規模マンションの入居ラッシュなど)に よるものであれば、工事や販売が一段落した時点で 転入超過は収まる可能性があります。逆に、継続的な 雇用創出や住宅供給が伴っている自治体では、 転入超過が長期的なトレンドとして定着しやすいと 考えられます。単年の数字だけでなく、何年も続けて 転入超過が見られるかどうかも、あわせて確認したい ポイントです。

一方、転出超過が続く自治体では、若年層の流出に 歯止めをかけるため、移住支援策や企業誘致、 テレワーク環境の整備など、さまざまな取り組みが 進められています。本サイトの財政力指数ランキングと あわせて見ることで、こうした施策を実行するための 財政的な余力がどの程度あるかも確認できます。

まとめ

社会増減率ランキングの上位・下位には、震災復興、 都心再開発、農村部の過疎化という、性質の異なる 複数の要因が混在していました。同じ「転入超過」 「転出超過」という結果でも、その背景を理解することで、 単なる順位以上の情報を読み取ることができます。 今後、同じ自治体の順位がどう変化していくかを 追いかけることも、地域の変化を理解する手がかりに なります。

転入超過と子ども人口割合の関係を見る自然増減率ランキング分析を見る

筆者について:元自治体職員・現データコンサルタント。行政・民間で10年以上、 統計データの分析と可視化に携わっています。運営者情報を見る →
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